インフルエンザの治療薬イナビルは授乳中のお母さんが使用しても母乳や赤ちゃんに対して影響はないのでしょうか?授乳への安全性とイナビルの効果や副作用について解説しています。
インフルエンザ治療薬イナビルは授乳中でも大丈夫?
インフルエンザの治療薬を服用する場合に授乳中のお母さんが一番心配なのは母乳や赤ちゃんへの影響です。
授乳中にもしインフルエンザに感染してもウイルスは母乳に移行しないので母乳を飲むことで赤ちゃんがインフルエンザに感染する心配はありません。
インフルエンザの感染経路は飛沫感染や接触感染に限られています。
インフルエンザの治療薬として2010年に厚生労働省が承認したイナビルは授乳中のお母さんでも安心して使えるインフルエンザの特効薬です。
授乳中の母親が服用しても母乳に対しての影響は極めて少ない性質を持っています。
イナビルが授乳中の母乳に与える影響と安全性イナビル吸引後1~46時間の薬物濃度を測定したところ濃度は検出限界未満の数値だったと発表されています。
このようなデータからもイナビルは母乳を授乳中のお母さんが使用しても母乳や赤ちゃんへの安全性は高いと評価されています。
イナビルに限らず抗インフルエンザ治療薬はWHOやアメリカ小児科学会、日本産科婦人科学会でも多くの症例報告で母乳や赤ちゃんへの安全性を審査しています。
インフルエンザ治療薬イナビルの効果
毎年冬になると流行し約1000万人が発症すると言われるインフルエンザの治療薬としてイナビルは現在、最も処方されている治療薬と言われています。
吸入して使用する為に血液にほとんど入らず1回の使用で完了するのが大きな特徴です。
2010年に治療薬として登場し過去に主流だった抗インフルエンザ治療薬「タミフル」や「リレンザ」を越えて使用されています。
イナビルは発病してから48時間以内に使用する事と吸入式なので薬剤を十分に吸入する事によって効果を発揮します。
1回の使用で長時間効果が継続し一度吸入するだけで服用が完了してタミフルやリレンザの様に飲み忘れる事がありません。
1回で効果が長時間継続し耐性ウイルスもなくインフルエンザウイルスA型とB型どちらにも効果があって予防にも活用できます。
※イナビルより前から使用されているタミフルには薬の効果がない耐性ウイルスが発見されています。
インフルエンザ治療薬イナビルの副作用
イナビルの主な副作用として考えられる症状として下痢・吐き気・胃腸炎などがあります。
※臨床試験1571例の中で下痢は73例があげられています。
下痢や吐き気、胃腸炎といった症状はインフルエンザに感染した場合に起こり易い症状でもある為にイナビルを使用したことによる副作用なのかどうかは詳しくわかっていません。
吸入によって効果が得られる治療薬なので喘息や呼吸器官に病気がある場合は事前に医師に伝えておきましょう。
吸入する粉末成分の中に乳タンパクが含まれているので牛乳や乳製品にアレルギーを起こす方は注意が必要です。
インフルエンザ治療薬のイナビル使用方法の手順の動画です。
まとめ
インフルエンザの治療薬であるイナビルは授乳中の母親が服用しても母乳や赤ちゃんに与える影響は極めて少ないと考えられています。
他のインフルエンザ治療薬に比べ1回の使用で完了し長時間効果が持続する特徴があります。
下痢や吐き気、胃腸炎などの副作用も考えられますがインフルエンザの症状とよく似た症状であるため断定するのが難しいようです。