鈴虫の飼い方について解説しています。鈴虫を飼育する時は土や餌を与える頻度とカビに注意し産卵後の卵の孵化には越冬させる時の温度が重要です。
鈴虫の飼い方で土はどうする?
鈴虫はオスとメスを一緒に上手に飼育すると産卵して毎年きれいな音色を楽しむことができます。
昔は味付け海苔が入ったガラス瓶に砂を入れてガーゼで蓋をして飼育したりしていました。
最近はこうした瓶やケースをすっかり見かけなくなりましたのでプラスチックやガラスの飼育ケースに産卵できるように土を底から5㎝程度入れて飼育するのが良いでしょう。
目の細かい川砂や砂場に使用する砂で問題ありませんが雑菌や他の昆虫が混入しないように念のために火にかけて冷ますか煮沸消毒した物を使用するのが良いでしょう。
ホームセンターや園芸店などで安く購入できる川砂や山砂、芝の目土という粒の少し粗い土でも問題ありません。
※海岸や海辺で砂を採取する場合はきちんと塩抜きしてから使用しましょう。
お庭や畑の土は雑菌がいたりして鈴虫が病気になったり餌にカビが生えたりするのでおすすめしません。
最近は鈴虫マットという飼育用の土も販売されていますがコバエ等が発生する原因になる場合もあるようです。
飼育ケースの大きさは動物性の餌が不足すると共食いや喧嘩をするのでもし出来るのなら飼育する数に見合った大きめのサイズの飼育ケースが理想的です。
飼育ケースに土を入れたら隠れ場所にもなる障害物を置いていきます。
鈴虫は暗くて隠れられる場所が好きなので割れた植木鉢や穴の開いたコンクリートブロック、流木や炭などで隠れ家を作ってあげると喜びます。
飼育している途中で障害物の汚れが目立つ場合は定期的に洗ってきれいにしてあげると良いでしょう。
※飼育ケースの高さにもよりますが障害物が高すぎると水やりや餌替えの時にジャンプして鈴虫が逃げ出す事があります。
飼育ケースは直射日光が当たらない風通しの良い場所に保管します。(薄暗い場所を好みます)
土や砂が乾燥したら鈴虫にかからないように霧吹きで水を補給します。
飼育ケース内の水分が多くて湿度が高くなると餌にカビが生えたり土に白いカビが発生したりします。
個人的には霧吹きの水を減らして土を乾燥気味にして水飲み場を設置する事によってカビは抑える事ができると思います。
鈴虫の水飲み場の設置小皿や小さいプラスチック容器に水苔や脱脂綿を入れて水に浸します。
※水だけ入れて深さがあると鈴虫が溺れたりします。
鈴虫で鳴くのはオスだけでメスは鳴かずおしりに産卵管が突き出ているのですぐわかります。
鈴虫を飼育する餌
鈴虫は雑食性で飼育する時の餌は植物性のエサと動物性のエサを両方与えるようにします。
植物性のエサナスやキュウリなどが定番ですが真夏の暑い時期には腐りやすくてすぐカビが生えたりします。
にんじんやさつま芋、りんごなどは比較的長持ちします。
キャベツやレタス、スイカの皮やかぼちゃ等の野菜は食べますし甘みのあるメロンやりんごが好きなようです。
夏は毎日餌を換えないとすぐ腐るので少量ずつでも良いので新鮮な餌を与えるようにして下さい。
直接、土の上に置くと餌が腐り易いので皿に乗せて与えるようにします。
串に刺しても良いですが夏場はすぐ抜けてしまいます。
生野菜などの植物性のエサに困ったら人工飼料のような粉末状の餌も販売されています。
ホームセンターなどで鈴虫やコオロギの人工飼料を探すと販売しています。
動物性のエサ鈴虫を飼育する時は動物性のエサが重要で足りないと共食いを始めます。
エサとして煮干しやかつお節を与えます。
卵から孵化したばかりの幼虫には細かくして与えると良く食べます。
鈴虫の飼い方と共食いの避け方
飼育ケースが狭い場合や動物性のエサが十分でないと鈴虫は共食いを始めます。
煮干しやかつお節を細かく砕いて小皿に乗せて与えます。
自然界ではセミの抜け殻や他の昆虫の死骸から動物性のたんぱくを摂取するようです。
鈴虫の育て方と卵の越冬
鈴虫は9月から10月にかけて飼育ケースの土の中に産卵をします。
一匹のメスは約50個から100個の卵を産み、卵は越冬して翌年の6月頃に孵化を始めます。
成虫が死んだ後は土の上から死骸や障害物、えさ、水飲み場など全て取り除き目の細かい布をかけて冷暗所に保管します。
飼育容器と蓋の間に和紙や新聞をはさんで置くと良いでしょう。
きちんと蓋をして鈴虫の外敵となる蟻や蜘蛛が飼育ケースに侵入しないように注意します。
越冬中の乾燥を防ぐ為に2,3日水に浸けておいた木炭を2,3本土の上にのせて置くと土の極度な乾燥を防ぎ木炭の作用でカビを防いでくれます。
鈴虫の飼い方と温度
鈴虫が産卵をした土は越冬して5月から6月に孵化しますが越冬中は土が乾燥しても水などは与えずそのままの状態で屋外の物置などに保管するのが良いでしょう。
厳冬期に土の温度が0度以下になっても土が乾燥した状態であれば卵は仮死状態で凍結せずに越冬します。
※屋内の暖かい場所(室温が20度前後)に保管すると冬に卵から孵化してしまう場合があります。
物置などで越冬させた飼育ケースは5月頃に室内に戻して霧吹きで水を与えます。
水やりを始めたら土の表面が乾かないように定期的に霧吹きで水を与え続けると6月頃には鈴虫が卵から孵化します。
小さな色の白い虫が出てきたらそれが鈴虫の幼虫ですが気が付かないと全滅してしまうので5月に入って水やりを始めたら2,3日に1回は注意して飼育ケースを見るようにしましょう。
鈴虫は6月上旬には孵化し脱皮を約7回繰り返して蛹にはならずに成虫になる不完全変態の昆虫です。
孵化した幼虫は次第に大きくなっていきますので体長が5mm位になったら飼育ケースに新しい土を入れて住みかを用意してあげましょう。
孵化したばかりの鈴虫の幼虫はとても小さく移動させる時に困る場合があります。
厚めの紙を3,4㎝の間隔で蛇腹に折ったものを入れておくと幼虫が紙の上に移動するので紙のまま移動させると楽ちんです。
鈴虫の一生で孵化から産卵までの動画です。
まとめ
鈴虫を飼育し毎年産卵させるには飼育ケースに砂や土を入れておくと良いでしょう。
飼育ケースを室内で管理する時は蚊取り線香や殺虫剤に注意する必要があります。
産卵後に越冬させる場合には屋外の物置などに保管するのが良いでしょう。