感染拡大が心配されるジカ熱ですが妊婦が妊娠中でどの時期が危険なのか、妊婦が感染した時
の症状や感染経路と小頭症になる確率について解説しています。
ジカ熱は妊娠中いつが危険?
海外から帰国した日本人がジカ熱に感染していたとニュースで伝えられていました。
妊娠中にジカ熱に感染すると生まれてくる赤ちゃんが小頭症になる可能性があるようです。
妊娠中でもどの時期に感染すると一番危険なのでしょうか?
ジカ熱とは?ジカウイルス感染症とも呼ばれジカウイルスを持ったネッタイシマ蚊やヒトスジシマ蚊に刺される事によって感染する病気です。
ブラジルを中心に中南米で感染が拡大中の感染症です。
ジカ熱に感染した時の症状潜伏期間は2日から12日(通常は2日から7日)で症状としては軽い発熱や頭痛、関節痛や筋肉痛、斑丘疹や結膜炎、倦怠感や疲労感といった風邪によく似た症状を起こします。
感染してからも全く症状が出ない感染者が全体の8割を占めるとされています。
問題なのは現在、治療法はなく予防する有効なワクチンも無いので感染を避けるには蚊に刺されないように注意するしかないという点です。
妊婦さんの妊娠周期と感染後の危険について妊娠初期から妊娠後期にかけてのどのタイミングで感染すると危険なのかについてはまだよくわかっていない状況です。
ただ他の疾病や妊娠中の感染症などから考えても妊娠初期の感染が危険度が高いのではないかと想像する事はできます。
ジカ熱に感染後でも症状が治癒した後なら妊娠しても大丈夫なのかについてもまだよくわかっていないので国ごとによって方針が異なります。
1ヶ月から半年程度は妊娠を慎重に考えた方が良さそうなのですがデータが無いだけに独身女性であっても将来を考えると不安は残ったままという事になります。
ジカ熱の妊婦の感染について
蚊に刺される以外の感染経路として挙げられているのは輸血や性行為からの感染です。
胎児への胎内感染の発生が複数、認められていて輸血や性行為による感染が疑われる事例も報告されています。
日本でも流行国から男性が帰国した場合に妊娠中の相手と性行為を行う時はコンドームの使用を推奨しています。
また輸血による感染を予防するため海外から帰国した日から4週間以内の献血を自粛することも呼びかけています。
一番問題なのは症状が出ない人が8割もいるという事感染症法の四類感染症で検疫法の検疫感染症に追加され発見された場合は医師による保健所への届け出義務が必要になりましたが症状が無ければ病院には受診しませんからわかりません。
不顕性感染つまりジカ熱に感染してウイルスは持っているけど症状が出ない人からの感染はあるのかという事です。
不顕性感染のキャリアが感染源となるのかやいつまでの期間、体内に入ったウイルスが持続するかについても全くわかっていません。
ジカ熱で小頭症の確率
ジカ熱が流行するブラジルで小頭症の赤ちゃんが急増していて昨年から今年にかけて通常の20倍以上、4000人を越える小頭症の出生が報告されていて妊婦の羊水や死亡した子供の脳の組織からもジカウイルスが検出されています。
小頭症とは正常な赤ちゃんに比べて頭部が小さくなる症状で胎児の状態で異常が起きる先天性の症状と出産後に頭部が成長しない後天性のものがあり脳の発達が遅れたり顔や頭のバランスが崩れたり低身長になったりします。
またジカウイルスの感染後にギラン・バレー症候群の発病などの増加が報告されています。
ギラン・バレー症候群とは運動神経に障害が起こって手足に力が入らなくなる病気で重症の場合には中枢神経にも障害がでて呼吸不全を起こす難病です。
三つの病気の関係については今も調査中で詳しいことはまだわかっていません。
まとめ
ジカ熱に感染して小頭症の子供が生まれる可能性は妊娠初期が一番危険ではないかと推測されていますが妊娠中期以降であれば安全であるというデータもありません。
感染後の妊娠についてもデータはなくまだ何もわかっていない状況です。
ジカ熱の流行国ブラジルでは小頭症の出生確立が20倍以上に増加しているようです。