山芋と長芋や大和芋と自然薯は何が違うのか?種類や特徴と栄養価や使い方、料理法などについてまとめてみたいと思います。
山芋と長芋や大和芋と自然薯の違い
山芋と言うのは長芋や大和芋、自然薯等の総称の事のようです。すりおろして食べるのでとろろ芋などと呼ばれたりもしますがこれも料理法から来る総称です。
山芋は、ヤマノイモ科のつる性植物で世界中で約600種類もあって亜熱帯地方から熱帯にかけ分布しています。自然薯は日本が原産地です。
日本では古くから自生していて「山うなぎ」と呼ばれる程、滋養強壮に効果がある事が知られていました。
長芋は中国が原産地でその大部分が北海道と青森県などの東北地方で作られていて春に植え、その年の晩秋11月初旬頃から積雪前の12月にかけて収穫する「秋掘り」が全体の約6割で残りは雪が解けた後の3月から4月頃に収穫する「春掘り」になります。
北海道では冬に耕作地が凍りつくため秋掘りのみでしたが最近では凍らない工夫で春堀りも行われるようになってきました。
大和芋を含むつくねいも群は諸説あるのですがインドから熱帯アジアが原産地として有力で渡来時期は17世紀以前と言われています。
関西でよく出回る品種で、ゴツゴツとしたこぶしの形でもともと奈良に多く見られたことから関西ではこれを大和芋と呼びます。
関東ではいちょう形、手のひら形、ばち形などのいずれも扁平な形が特徴の物が大和芋と呼ばれています。
関東と関西で呼び名が違い少しややこしい感じがします。
現在、日本で採れる山芋は、大きく分けると、長芋、大薯「ダイショ」、自然薯の3種類で、農林水産省の統計種類でも、この3種類を山芋と呼んでいます。
長芋、大和芋、自然薯の特徴
長芋
栽培されている山芋の3分の2が長芋でまっすぐで長く水分量が多く粘り気も大和芋や自然薯に比べると弱いです。
低温貯蔵による出荷調整ができ、スーパーなどの店頭には1年中出回っています。
大和芋
関東では偏形種でイチョウ型や仏掌型を大和芋と呼びます。
関西では塊形種でつくね芋「伊勢芋や丹波山の芋など、ゲンコツ型が多いです」粘りが強く濃厚な味がします。
自然薯
日本原産で山野に自生し収穫までに3〜4年もかかります。
長さも60cm~長い場合は1m以上にもなります。
天然の物は収穫するのに非常に手間が掛かり真っ直ぐに育たないので料理にも手間が掛かります。
たくさん収穫できない為、流通量も少ないです。
最近はパイプなどで真っ直ぐに育つように畑で栽培されています。
すりおろしても箸でつかめるほど粘りがあり、だし汁で割ってとろろにするのが一般的です。
長芋、大和芋、自然薯の栄養価
ビタミンB1,ビタミンC、カルシウム、カリウムなどが豊富に含まれています。
長芋は水分量が一番多く、栄養価は大きく違いません。
主成分はでんぷんとマンナンを多く含む炭水化物です。
炭水化物分解酵素であるアミラーゼが大根の数倍含まれています。
山芋の栄養素は熱に弱いので加熱せず、生のまま摩り下ろすなどをして食べるのが最も効果的です。
食物繊維も豊富で便秘解消にもなりカリウムも豊富なので大腸ガンや高血圧、むくみの予防につながります。
山芋の使い方
熱を加えずにすりおろしたり刻んだりして食べるのが一番、栄養を損ないません。
とろろにして卵を加えてご飯にかけたりお蕎麦にのせたりマグロの山かけもおすすめです。
フライパンで焼いたり他の野菜と炒めものにしたりそのまま汁物の具にすることも出来ます。
おろして卵とだし汁で混ぜ塩と醤油で味付けして刻み葱と混ぜ鉄板焼きにし出来上がりにかつお節と刻みのりをかけます。
お好み焼きに混ぜて使ってもふわふわしておいしくなります。
個人的にはネバネバ丼がおすすめです。
オクラを刻み山芋はおろして納豆も用意します。
刻んだオクラと納豆、山芋のトトロをご飯にのせ卵ものせてお醤油を落し完成です。
山芋をおろしたり切ったりすると変色する事があり理由や防止方法についてはこちらです。
まとめ
山芋はカロリーも低く健康に良い食品です。
自然薯は特に下処理する時や食べる時に手や口の周りにつけてかぶれたりする人もいるようです。
栄養を損ないたくない場合は熱を加えない調理法で召し上がって下さい。