毎年10月に入るとハロウィンという言葉をよく耳にします。
昭和の頃はあまり耳にすることはありませんでした。
ハロウィンとは10月30日に行われる、古代ケルト人が起源と考えられている祭りのことで
秋の収穫を祝い、悪霊などをはらう宗教的な意味合いのある行事だったようです。
古代ではこの夜は死者の霊が家族のもとにやってくると信じられていて、時期を同じくして
出てくる邪悪な精霊や魔女から身を守るために仮面をつけ、魔除けの焚き火を
焚いていたそうです。
今ではアメリカの民間行事として祝祭の宗教的な意味合いもほとんどなくなりカボチャの
中身をくり抜いて作ったジャック・オー・ランタンを飾ったり、子どもたちが魔女や
お化けに仮装してご近所さんを訪れてお菓子をもらったりする風習なのだそうですが…
話を聞いてあれっ時期は違うけど日本にもよく似た風習があるのではと、ふと思いました。
・和製ハロウィンのような日本の風習
北海道では毎年お盆の頃に和製ハロウィーンのような行事でローソクもらいというものがあります。
このローソクもらいとは、浴衣を着て提灯を持った子供達が、夕暮れ時から夜にかけて近所の家々を
歌を歌いながら回る、ローソクやお菓子をもらい歩く風習です。
青森県の、弘前ねぶたにも似たような風習があったと聞いたことがあります。
津軽地方では戦前まではねぶたの照明がローソクだったため、ローソクをもらって歩く習慣があり
ねぶたをリヤカーに乗せ「ローソク出さねばがっちゃくぞ」などと言いながら家々を廻り歩く風習が
あったそうです。
・迎え火と送り火
迎え火はお盆に先祖の霊を迎え入れるためにたく野火のことで盆提灯等も同じく先祖の霊を
迎え入れるための目印で、先祖の霊が滞在しているしるしであるともされています。
送り火はお盆に帰ってきた死者の魂をこの世からふたたびあの世へと送り出すために行ったとされています。
山での送り火としては京都の五山送り火、奈良の大文字焼きなどが有名です。
海の送り火としては灯籠流しが全国各地で行われます。(精霊流しと呼ぶ地方もある)
ハロウィンも年を重ねるたびに少しずつ変化しながらも日本にも根付いて行くイベントになるのでしょうね。